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ピアノ発表会の撮り方
Created Date
2023-12-13
Modified Date
2023-12-13
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ピアノ発表会の撮り方

お子さんのピアノ発表会の様子を撮影する方法を紹介します。ピアノ発表会は着席後は席を移動することができませんので、事前の準備がとても大切な撮影の一つです。

【ポイント】静音モード(電子シャッター)で撮影する

ピアノの発表会等、静かな場所での撮影、静かなイベントでの撮影でシャッター音はご法度です。
そのため、撮影時には静音モードでの撮影が可能な一眼カメラ(ミラーレスカメラ)で、静音モード(電子シャッター)で撮影することをおすすめします。

電子シャッターの場合、写真を撮る瞬間に物理的なシャッターを落とす動作がないため(センサーが電子的にレンズから入っている光をキャプチャするイメージです)、音はほとんどしません。厳密には、レンズの絞り羽が動作する音は出るのですが、隣の人にも聞こえないほどの小さな音です。

そのため、シャッター音が出てしまう一眼レフカメラを使用して撮影することは推奨されません。スマートフォンを使用する場合、シャッター音のしないアプリケーションを使用することをおすすめします。

【ポイント】客席が暗い場合、ファインダーを使って撮影する

ミラーレスカメラだと、背面液晶を見ながら撮影するケースも増えてきました。ただし、客席が暗い場合、周りのお客さんから背面液晶の明かりが気になる事が考えられます。
そのため、客席が暗い場合には、背面液晶ではなく、ファインダーのあるカメラであればファインダーを覗いたり、スマートフォンであれば液晶の明るさを暗く設定するなど、気を使う必要があります。

【ポイント】カメラはマニュアル設定で撮影する

ピアノの発表会のステージ上は基本的に明るさは固定されています。そのため、慣れていればシャッタースピード・絞り・ISO感度をマニュアルで設定すると、一連の写真の明るさが全て均一になります。
もし、マニュアルでの設定がわからない場合には、手ブレをしない範囲のシャッタースピードだけ設定をして撮影をしましょう。
シャッタースピードを設定する方法は、カメラを「シャッタースピード優先オート(Tv)」に切り替えて、シャッタースピードを決定します。ピアノの発表会であれば、大きな動きはなく、レンズの手ブレ補正機能なども考えると、1/160〜1/250程度で問題ないでしょう。
あまりもシャッタースピードを早くしすぎるとISO感度が上がり、写真全体のノイズが増えてしまいますので注意が必要です。(カメラの機種にもよりますが、ISO感度の上限はISO3200程度が良いでしょう)

【ポイント】望遠レンズを使って撮影する

ピアノの発表会ではステージと客席の間にある程度の距離があります。そのため「70-200mm」などの望遠レンズを用意しておきましょう。標準レンズではステージ上の発表者に十分にズームして撮影することが難しくなるケースが考えられます。
例えば、ステージの一番前に陣取ると標準レンズでも撮影は可能かと思いますが、ステージは多くの場合一弾上がっているので、その場合ピアノの裏が写ってしまったり、鍵盤や指が映らないことも懸念されます。

【ポイント】フラッシュ(ストロボ)は使用しない

フラッシュはあらゆるステージでの撮影でご法度です。

【ポイント】三脚は不要、手持ちで撮影する

ピアノ発表会などが行われるホールの客席は前後左右の感覚が狭いことが予想され、三脚を十分に備え付けることは難しいでしょう。
また、ご自身のお子さんの発表のタイミングだけ写真やビデオを撮影するのであれば、手持ちでも問題ありません。

ただ、三脚や一脚の持ち込みが制限されていない場所であれば、自立のできる一脚に小さなビデオカメラをつけて、手放しで撮影するという方法もあります。これであれば、手ブレのしない映像を撮影することができます。
ただし、自立できるものとはいえ一脚をこのように使用することは本来推奨された使い方ではないので、何かのはずみで一脚が倒れることがないかなど、注意をはらいながら対応しましょう。

【ポイント】鍵盤と顔を同時に撮影する

ピアノ発表会の撮影の理想は鍵盤を叩く指と顔の表情を同時に撮影することです。
ステージの構造にもよりますが、すり鉢状になっている場合にはピアノがある位置よりも少し上段のやや上手(ステージを正面にして右側)に位置とることで理想の写真・映像を撮影することができるでしょう。

客席が平面で、発表者のみ一段上がっているステージ上で発表する場合は基本的にピアノの内側は映りますし、着席の場合は鍵盤や手元をきれいに撮影することは難しいでしょう。
そのような場合は、使用するレンズのズーム域にもよりますが、ステージと少し距離を取って望遠レンズで撮影することとおすすめします。
また、もし可能であれば、ステージの上手側(ステージに向かって右側)に立つときれいに撮影できます。
(発表会の最中は着席をお願いされているケースも多いので、注意が必要です)

【ポイント】髪の毛は結んでおきましょう

最後に、自身のお子さんがピアノの発表会に出席されるとき、髪が長いお子さんの場合にはポニーテールにするなど髪の毛を結ぶことをおすすめします。
小さな子供のピアノ演奏の場合、譜面ではなく顔を落として鍵盤を見つめながら演奏するケースが見受けられます。その場合、髪が長いと、髪が顔に被ってしまって表情が見えてなくなってしまうケースが考えられるので注意が必要です。

まとめ

以上がピアノ発表会での写真撮影の方法となります。
お子さんのピアノ発表会の撮影をすることになったお父さん・お母さんの参考になりましたら幸いです。

私が記事を書きました

Hiroki YAMAMOTO

株式会社デルタクリエイティブ代表 /カメラマン
独学でカメラを始め、学生時代から報道写真を中心にカメラマンとして活動。雑誌・WEB媒体の写真部を経て、2011年からフリーランス。TOTTAの開発と運営を手掛ける。広島出身。
撮影依頼はこちらから(写真事務所deltaphoto)
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